涅槃図修理の見積もり
2017年07月25日
龍雲寺の寺宝の一つ「涅槃図」。
前回の修理からかなりの年数が立っているのでところどころがボロボロになっていて修理が必要になってきました。
涅槃図とは、お釈迦さまが入滅(お亡くなりになる事)した時の様子を描いたものです。お釈迦さまが入滅されたことを「涅槃に入る」ということから、この絵を涅槃図といいます。曹洞宗の多くの寺院では、お釈迦さまが入滅したとされる2月15日に合わせて涅槃図を飾り、お釈迦さまを偲ぶ法要、涅槃会を執り行います。
涅槃図はお釈迦さまの入滅という悲しみの中にも、仏教画としての荘厳さを保たなければなりません。さらには、命の終焉を描くと共に、教えの永劫性を表現することが求められます。このような、一見すると矛盾する課題を仏教の教えに沿って一枚の絵の中に凝縮させていったものが涅槃図です。
お釈迦さまのお姿は、仏教徒の理想の姿として描かれてきました。涅槃図もまた、理想の死の在り方が示されています。涅槃図を読み解くことは自分自身の死の在り方を考えることであり、死を見つめることは今を生きることを見つめ直すことでもあるのです。
龍雲寺の「涅槃図」は他の寺院のものと比べると比較的大きなもので、歴史的価値が高いと評価されています。
今回京都の「小野法衣店」様にきていただき見積もりのための調査を行いました。結果は夏明けくらいにわかるそうです。